企業・団体の専門知識を,学校で学べる授業に。
- 奈美 西岡
- 7月30日
- 読了時間: 10分
更新日:3 日前
伊丹納税協会様と育てるオリジナル租税教育プログラム
キャサリンとナンシーの金融教育 News|2026年8月号
株式会社マネイクでは、企業・団体の皆様が持つ専門知識や伝えたい思いを、子どもたちが主体的に学べる教育プログラムへと形にしています。
今月は、伊丹納税協会様とともに開発し、約5年にわたり改良を重ねてきた、小学6年生向けのオリジナル租税教育プログラムをご紹介します。

「税金がないと困る」から、「税金があるから安心して暮らせる」へ
このプログラムの出発点は、マネイク代表の西岡が、伊丹納税協会青年部の一員として租税教室の講師を担当する中で感じた問題意識でした。
従来の租税教室では、「税金がなければ、道路や学校、消防などの公共サービスが利用できなくなり、私たちの生活が困る」という伝え方が中心でした。
もちろん、税金の必要性を伝える上で大切な視点です。
一方で西岡は、
「税金がないと困る」という伝え方だけではなく、「税金があるからこそ、私たちは安心して暮らすことができる」という前向きな入口から、子どもたちと税について考えられないだろうか
と考えるようになりました。
その思いを伊丹納税協会様に相談したところ、
「それなら、一緒にオリジナルのプログラムを作りましょう」
と言っていただいたことから、プログラム開発が始まりました。

ご要望は、「子どもたちにとって楽しい授業に」
伊丹納税協会様からいただいたご要望は、とてもシンプルなものでした。
子どもたちにとって、楽しい授業にしてほしい。
細かな仕様があらかじめ決まっていたわけではありません。
そこで、伊丹納税協会の専務、職員の皆様と意見を出し合いながら、納税協会として子どもたちに伝えたいことと、現在の学校教育で大切にされている学び方の両方を取り入れた授業を考えていきました。
伊丹納税協会様には、マネイクの提案を尊重し、自由にプログラムを設計させていただく一方で、必要な場面では一緒に協議していただきました。
依頼者と制作者という関係にとどまらず、よりよい授業を一緒につくり、育てていくことができる、大変ありがたい協働の機会となっています。

聞くだけで終わらない、「税金を探究する」授業
プログラムのめあては、「税金を探究する」ことです。
講師の話を聞くだけではなく、子どもたちが自分で考え、体験し、対話し、伝える学びを目指しました。
授業には、次の活動を組み込んでいます。
税金の意味や役割について聞く
1億円の模擬紙幣に触れる
タブレットを使って調べる
グループで話し合う
調べた内容をほかのグループに発表する
税金の使い道と選挙の関係について考える
児童一人一台のタブレットを活用し、個別学習とグループワークを組み合わせています。
また、授業の最初には学習のめあてを示し、授業の最後には学んだことを振り返る構成としました。
ICTを使用すること自体を目的にするのではなく、子どもたちが税について自分で調べ、友達と考えを共有するための手段として活用しています。

人気の「1億円体験」を、一部の児童だけでなく全員の体験に
租税教室で特に盛り上がるのが、実際の1億円と同じ大きさ、重さで作られた模擬紙幣です。
アタッシュケースが開くと、どの学校でも子どもたちから大きな歓声が上がります。
一方で、従来の授業では、時間の都合から1億円に触れられる児童が限られてしまうという課題がありました。
そこで新しいプログラムでは、グループごとに順番に1億円を体験する仕組みを取り入れました。
あるグループが1億円に触れている間、ほかのグループはタブレットを使って税金について調べ、発表の準備を進めます。
これにより、単なる待ち時間を、子どもたちが主体的に学ぶ時間へと変えることができました。
全員が1億円に触れられることは、子どもたちの満足度を高めるだけではありません。
普段は実感しにくい大きな金額や、国の歳入・歳出の規模を具体的にイメージするきっかけにもなっています。


税金を、暮らしや社会とのつながりから考える
この授業で目指しているのは、税の種類や制度を覚えることだけではありません。
子どもたちが、
税金は、みんなが力を合わせて、よりよい社会をつくるためにある
ということを、自分たちの暮らしと結び付けながら考えられる授業を目指しています。

授業の最後には、税金の使い道を決める仕組みと選挙との関係についても触れます。
自分たちが納める税金が、どのような社会をつくるために使われるのか。
そして、その使い道を考える人を選ぶことが、なぜ大切なのか。
税金を自分たちとは離れた制度として捉えるのではなく、暮らしや社会参加とつながるものとして考えられる構成にしています。
先生方からいただいた声
最近実施した学校の先生方へのアンケートでは、回答いただいた全員から、
子どもたちが興味を持って参加していた。
との回答をいただきました。
また、自由記述では次のような声をいただいています。
具体的なイメージを持てる題材や実際の具体物があることで、子どもにとって実感しにくい「現金としてのお金」や「税金」への認知を高めることにつながると感じました。
クイズがあることで、子どもたちが飽きずに話を聞けていたと思います。
授業後には、多くの子どもたちが講師の前に集まり、質問したり、さらに話を聞こうとしたりする姿も見られます。
子どもたちが授業時間の中だけでなく、授業が終わった後も税金について知ろうとしている姿は、講師にとってもうれしい反応です。
作って終わりではなく、実践しながら育てる
このプログラムは、一度完成させて終わりではありません。
授業を実施した後には、伊丹納税協会様と振り返りを行い、子どもたちが迷ったところや、講師が進行しにくかったところを確認しながら、毎年少しずつ改良を重ねています。
たとえば、当初は、子どもたちに税金について自由に調べてもらっていました。
しかし、自由度が高すぎると、
児童が何を調べればよいか迷う
発表する内容が広がりすぎる
講師が想定していない内容や質問が出やすい
担当する講師によって進行の難易度が変わる
といった課題が見えてきました。
そこで現在は、探究するテーマをある程度設定し、子どもたちが調べる方向性をつかみやすくしました。
これにより、児童は迷わず活動に取り組むことができ、講師側も安心して授業を進められるようになりました。
マネイクでは、授業用スライドやワークシートだけでなく、講師用台本、進行表、アンケートなど、実施に必要な資料を一式作成しています。
講師が替わっても授業の目的や質が大きく変わらないよう、運用面まで含めて整えることを大切にしています。

これまでに2,000人の児童が参加
本プログラムは、改良を重ねながらこれまでに延べ25校、54回実施し、2,000人超の児童に参加いただいています。
また、伊丹納税協会青年部の実践事例として、「第12回納税協会青年の集い 奈良大会」「第15回納税協会青年の集い滋賀大会」において取組を発表しました。
今後も伊丹納税協会様と協議を重ねながら、子どもたちにとって分かりやすく、講師にとっても実施しやすいプログラムへと育ててまいります。

伝えたいことを、子どもが学びたくなる授業へ
企業・団体の皆様は、それぞれの分野において、子どもたちに伝えたい大切な知識や思いをお持ちです。
一方で、
専門的な内容を、どのように学校向けの授業にすればよいか分からない
既存の教材を、今の学校教育に合う内容へ見直したい
講義を聞くだけではなく、子どもたちが参加できる授業にしたい
担当する講師が変わっても、安定して実施できる仕組みを作りたい
といったお悩みを伺うことも少なくありません。
マネイクでは、企業・団体の皆様が伝えたい内容を整理し、子どもの発達段階や学校教育の考え方に合わせて、オリジナルの教育プログラムへと形にしています。
ご相談の段階で、授業の仕様が細かく決まっている必要はありません。
「子どもたちに、このテーマを伝えたい」
「今ある教材を、もっと楽しく、分かりやすくしたい」
という思いから、授業の目的、学習活動、教材、進行方法を一緒に考えていきます。
マネイクが作るのは、スライドやワークシートだけではありません。
誰が講師を担当しても、子どもが迷わず、学校が安心して受け入れられる授業の仕組み
まで含めて設計します。
授業の企画、スライド、ワークシート、講師用台本、アンケート、実施後の振り返りや改善まで、まとめてご相談いただけます。
企業・団体の皆様が持つ専門知識を、子どもたちが学びたくなる教育プログラムに変えてみませんか。
皆様の専門知識を、学校現場で実施できる教育プログラムへと形にします。

▶ 写真や詳しい様子はInstagramで公開中!

こんにちは。ナンシーです。大学院に進学し、夏休みに入りました。4か月、単純に楽しい!!から、「この研究は前に進んでいるのか?」という不安も出てきている今日この頃。。学びが進んでいるからこそ、見えなかったものが見えつつあるんだ。そうなんだ!!そう思うしかない!!!と言い聞かせて頑張っています。
20歳くらい年下の同級生と先輩に助けられながら充実した日々です。
今月ご紹介したいのは、授業研究特論という授業での学びです。名の如く、学校授業を研究するのですが、その中で学んだ「リボイシング」という言葉を紹介します。 「リボイシング」とは、子どもの発言を教師が別の言葉で言い換えたり、みんなに問い返したりしながら、考えを共有し、深めていく働きかけのことです。
教師がすぐに正解を教えるのではなく、「今の意見は、こういうことかな?」「みんなはどう思う?」と、子どもの言葉を教室全体につないでいきます。
マネイクの金融教育の授業でも、子どもの何気ない一言を拾い、考えを広げていくことを大切にしてきました。専門用語がある!とわかったことで今後、専門家ぶりたいところで使っていきたいと思っています(笑)
大学院での学び、今月もとても楽しいです!
私たちは、現場での金融教育実践に加え、大学院での学びも取り入れながら、“楽しい”だけでは終わらない金融教育を目指しています。
💡 金融教育ミニコラムはK&NのLINEで!
親子で話せる金融教育のミニテーマを定期的に発信しています。- お小遣いの使い方の工夫- 値段が変わる理由- キャッシュレスの便利さと注意点忙しい日常の中でも、1分で読める気づきや話題をお届け中!ぜひフォローして、日々の会話のきっかけにしてください。
キャサリンとナンシーの金融教育LINE:https://lin.ee/H6Dj5ry
💡株式会社マネイクでは個人相談も行っています。
「自分の考えを整理することができた。思い切って相談してみて良かった」
「家計管理についてこれでいいのか不安だったので安心できた」などご好評いただいています。弊社のご相談は2回に分けてじっくりお話しをお伺いし、ご相談者様と一緒に納得感のあるプランを考えます。
ご興味のある方はLINEアカウントにご登録下さい。
株式会社マネイクLINE:https://lin.ee/rhIEva9
今月もご覧いただきましてありがとうございました!
writer:Katherine






コメント